トップメッセージ

西武建設株式会社 代表取締役社長 佐藤 誠

積み重ねて来た文化と伝統に
新しい視点を融合させ、
新生・西武建設を確立してまいります

西武建設株式会社 代表取締役社長

佐藤 誠

西武建設は、2022年3月31日より、ミライトグループ(2022年7月1日付で「ミライト・ワン グループ」に変更いたしました。)の一員として新たな一歩を踏み出しました。これまで西武建設の事業を支えてきた「社会に“信頼”され“よろこび”を共有する“活力”ある企業を目指します」という経営理念には、お客様やエンドユーザー、地域社会や協力会社の皆様、そして社員といった数多くの利害関係者に信頼され、共によろこんでいける世界を創りたいという思いが込められています。

西武グループで培った文化・伝統を活かして、ミライト・ワン グループの一員として発展に貢献するとともに、ミライト・ワン グループと西武グループの鎹(かすがい)・架け橋として、新たな歴史を刻んでいきたいと考えています。

経営理念を体現する上で大事なものは、長年積み重ねてきた文化と伝統です。例えば、良いものをつくるという技術系集団としてのプライドや、先輩方から受け継いで来た仕事への姿勢とレベルの高さなどが挙げられます。また協力会社なくしては自分たちの仕事は成り立たないことから、彼らを大切にする気持ちも忘れてはなりません。また、私が最も重要だと考えるのは、「安心安全」です。これは建設業に携わる者であれば当然守らなければならないものですが、特に我々は社会の基盤インフラである鉄道施設や道路・水路・トンネルなど、あるいはあらゆるお客さまが利用する商業施設やホテルなど、生活・環境領域に携わる機会が多いため、他の何よりもプライオリティを高く設定しています。その「安全安心」を守るための施策が「リスクの見える化」です。業務に支障をきたす恐れがある場合は、たとえ軽微なものであっても全社員に共有できるシステムを構築し、リスクを最小限に留め、かつ風通しのよい環境づくりを心がけています。

社長近影

近年、数十年に一度の災害の頻発や、歴史的なパンデミックに端を発する働き方の変化などにより、オフィスのあり方が問われたり、都心から郊外に移り住む人が増えたりと、建築物そのもののあり方が見直されるようになってきています。そうでなくてもスクラップ・アンド・ビルドの手法は現代にはそぐわないものとなり、如何にして建物や構築物の寿命を伸ばしながら価値を高めるかが重要な時代になっています。種々の変化は社会ニーズを増加させ、社会ニーズの増加はビジネスチャンスの拡大を意味します。つまり、如何にしてこの好機を掴むかが企業の命運を左右すると言えるでしょう。

そこで私たちは「西武建設2030ビジョン」という長期計画を策定し、「建設事業の枠を超えた新たなフィールドへ挑戦する人と組織の確立」というテーマを掲げて2030年に向けた動きを展開しています。従来、西武建設のビジネスは請負業務中心だったが故にビジネスモデルが限定されたり、エンドユーザーや地域との関わり方に制限があったことも事実です。これからはより能動的に動き、当社だからこその付加価値のある提案をしていかなくてはならないと強く感じています。

テーマを完遂して請負業務中心からの脱却と新たなビジネスモデル構築のために、2030ビジョンの中では(1)企画提案営業改革、(2)技術開発改革、(3)新規事業創出、(4)業務プロセス改革、(5)人財育成・風土改革、という5つの基本方針を打ち立てています。この5つを貫くものは情報です。顧客の上流にアプローチをして深いニーズを把握する。建築業の枠を超えたイノベーション開発のために最新技術情報をキャッチアップし続ける。あるいは、社内の状況に目を配り、社員の声に耳を傾けていく。そうやって集めた情報を集約・分析し、お客様や協力会社、社員の思いや気持ちに寄り添う、いわばサービス業的な目線を持つことがポイントになってくるでしょう。その上で、西武建設の文化と伝統を社会情勢と融合させ、独自性のある取り組みに昇華できるかが鍵になってくるのです。

また、私個人として重視するのは(5)人財育成・風土改革です。ご多分にもれず建築業界でもロボットやAIの活用は日進月歩の勢いで進んでいきますが、それらを管理するのは人間です。したがって、自社や協力会社などの「人財」を大切にし、彼らが働きやすく、さらには挑戦しやすく、かつ「西武建設で/西武建設と働いてよかった」と思ってもらえる環境を整えることは、とても重要なミッションと考えています。

社長近影

西武建設株式会社 代表取締役社長

佐藤誠

2021年に創立80周年を迎えた西武建設は、2041年には創立100周年を迎えます。今はまだ遥か先のことのようにも思えますが、ビジネスの世界での20年はあっという間であり、今から100周年、さらにはその次の100年へと目を向けていかなくてはなりません。

前述のように、これまで西武建設では5つの基本方針に則ってさまざまな取り組みにチャレンジしてきましたが、今後は新たにミライト・ワン グループとのシナジーも加え、より一層さまざまなことに挑戦し、建設事業の枠を超えようとしています。また、事業環境の変化により、これまでの事業を見直さなければならないこともあるでしょうが、社員一人一人が持続的、かつ積極的にチャレンジを続けることにより、新たな事業を発掘し、ミライト・ワン グループとして、さらなる成長を実現できると信じています。ここで、忘れてはならないのが、私たちの原点は「ものづくり」であること。私たちのビジネスの核には「良いものをつくる」という精神があり、その未来へ向けた土台をつくっていくことが私に課せられた命題と考え、これからもお客様、地域、協力会社、社員のために行動してまいります。

今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

西武建設株式会社 代表取締役社長

佐藤誠